1. 概要

ベトナム語は声調をもつ音節言語です。

基本的な音節構造は:

(語頭子音)+(母音核)+(語末子音または半母音)+(声調)

主な特徴:

• 母音体系が非常に豊か

• 声調が意味を区別

• 語末子音の種類が非常に限定的

• 音節境界が明確

2. 声調

北部標準語(ハノイ方言)には 6つの声調があります。

平声(ngang) a 中高・平板

上昇調(sắc) á 高く上がる

下降調(huyền) à 低く下がる

曲折調(hỏi) ả 下がって上がる

喉化上昇調(ngã) ã 喉音を伴う上昇

重音調(nặng) ạ とても低く短い

※ 南部では hỏi と ngã がほぼ同一発音になります。

3. 母音

ベトナム語には 11の単母音と多くの二重母音があります。

単母音:

• i, ê, e

• ư, ơ, â

• u, ô, o

• a, ă

特徴:

• 長短の対立

• 舌の位置・唇の丸めが意味を区別

• 日本語に存在しない母音が多い

4. 子音

語頭子音

約 19〜21個(方言差あり)。

特徴:

• 子音連続がない

• 無気音/有気音の区別(t / th)

• tr・ch など特殊な調音

語末子音

使用できる語末子音は 6つのみ。

-p, -t, -c 破裂音(放出しない)

-m, -n, -ng 鼻音

5. 音節構造

ベトナム語は音韻的に単音節言語です。

例:

• học /hɔk̚/

• người(複雑な母音+声調)

6. アクセントとイントネーション

• 単語アクセントは存在しない

• 強勢で意味は変わらない

• 文全体の抑揚はあるが、声調が最優先

7. 方言差

北部 6声調(標準)

中部 声調がさらに複雑

南部 5声調(hỏi/ngã 合流)